パター選びで失敗しないコツは、自分の打ち方のクセに合うヘッド形状とネック、シャフトの長さを組み合わせることです。パターはグリーン上でボールを転がし、カップへ沈めるためのクラブであり、ゴルフのスコアにも大きく関係します。1打の重みはドライバーの飛距離と変わらないため、初心者がスコアを縮める近道は、パッティングの精度を高めることです。
ただし、ピン型やマレット型などヘッドの種類は多く、ネックや素材、長さまで含めると選択肢が多く、選び方に迷ってしまう方もいるでしょう。当記事では、初心者がつまずきやすいパターの選び方を、ヘッド・ネック・素材・長さ・打ち方別という5つの観点から順番に解説します。自分に合う1本を見つけ、3パットを減らすための判断材料にしてください。

パターとは、グリーン上でボールを転がし、カップへ入れるために使うゴルフクラブです。ボールを上げずに転がす役割へ特化しているため、ロフト角はすべてのクラブの中で最も小さく、3度前後に設計される製品が多くなっています。フェース面でボールを押し出し、グリーンの芝の上を正確に転がせる点が大きな特徴です。
パターは、ラウンド全体のスコアを大きく左右する、とても重要なクラブです。一般的な目安として、ゴルフのスコア全体の約40%をパット数が占めます。ドライバーで300ヤード飛ばす1打も、グリーン上で30センチを沈める1打も、スコアの上では同じ価値を持つ1打です。初心者がスコアを縮める上で、パッティングの精度は欠かせません。

パターのヘッドの種類は、大きく分けてピン型、マレット型、ネオマレット型、L字型の4タイプに分かれます。形状ごとに、ミスへの強さや操作性、方向の出しやすさが異なる点が特徴です。ここでは、各タイプの形状について詳しく解説します。

ピン型は、まっすぐ打つのが苦手な初心者や、自分でフェースを動かしたい人に向いた形です。ヘッドは細長く小さめで、目標を狙いやすいのが特長です。重さがヘッドの両端に振り分けられているため、芯を少し外しても球が大きく曲がりにくくなっています。バランスがよく、昔から使われてきた定番の形です。
ピン型が初心者に向いている一番の理由は、目標の方向へ打ち出しやすいことです。初心者は球を目標より右へ押し出すミスが目立つ傾向にありますが、ピン型は構えたときにフェースを目標へ合わせやすく、右にずれてしまうミスを抑えられます。まっすぐ狙う安定感と、自分で操作する感覚の両方を味わえます。
ピン 2021 KUSHIN 4 パター 右利き用 アジャスタブルタイプ PP58ミッドサイズ ブラック/レッド グリップ装着モデル

マレット型は、まっすぐ正確に打ちたい人に向いた形です。かまぼこのように丸みのある、大きめのヘッドが目印です。ヘッドが大きいぶん重さの中心が後ろにあり、芯を少し外しても左右にぶれにくくなっています。まっすぐ転がすイメージで打てるので、ミスを減らしやすい形です。
ピン型と比べると、細かい距離の調整や操作はやや難しくなります。一方で、ヘッドの重さで球が転がりやすく、まっすぐの距離を出せるのが長所です。フェースの動きが少なく目標へ素直に打ち出せるので、まっすぐ振りたい人に向いています。

ネオマレット型は、方向や距離の感覚をつかむのが苦手な人に向いた形です。マレット型よりさらにヘッドが大きく、四角に近い形をしています。まっすぐ構えられるので、芯を外したミスにも強いのが特長です。ヘッドが大きいほど、打点が少しずれても狙った方向へ転がりやすくなります。
球の転がりも安定し、距離感も合わせやすいのが魅力です。一方で、重さや大きさがあるため扱いにくいと感じる人もいます。繊細な調整より、まっすぐ引いてまっすぐ出す打ち方を安定させたい初心者に向いた型です。
L字型は、アプローチと同じ感覚で打ちたい人に向いた形です。ヘッドの手前側にシャフトが付き、横から見るとアルファベットのLに似ています。フェースとシャフトの位置関係が、アイアンとよく似た作りです。打っている間にフェースの向きを感じ取れるため、操作しやすいのが特長です。
フェースが開きやすく、クラブ任せではなく自分で操作したい人に向いています。アプローチのように球を打つ感覚でパッティングしたい人とも、相性のよい形です。一方で、フェースの向きを自分で合わせる必要があり、まっすぐ打つのは少し難しくなります。方向が安定しにくいため、初心者より中級者から上級者に向いた形です。
パターのネックとは、ヘッドとシャフト(柄の部分)をつなぐ箇所のことです。形は主に、クランクネック、ベントネック、センターシャフト、ショートスラントネックの4種類に分かれます。同じヘッドでも、つなぎ方が違うとフェース(球を打つ面)の動き方や構えやすさが変わります。
ここでは、ネックの種類と違いについて解説します。
クランクネックは、ゆるやかな弧を描いて打つ人に向いた形です。シャフトがヘッドの手前で「く」の字に折れ曲がり、球を打つフェース面がシャフトより少し後ろに位置します。フェースが後ろに引っ込んだ形は「オフセット」と呼ばれ、4種類の中で最も大きいタイプです。古くから使われ、ピン型パターによく見られます。
この形は、手を球より前に出して構えやすく、構えた時点でフェースを目標へ合わせられるのが特長です。打つときにフェースが自然に開いたり閉じたりするため、まっすぐ引くよりも弧を描いて打つ人になじみます。球をしっかり押し出せて、芝に負けない転がりのよい球になりやすい点も魅力です。構えるとやや左向きになり、右へのミスを減らせるため、初心者にも扱いやすい形です。
ベントネックは、大きめのヘッドでやさしく打ちたい人に向いた形です。シャフトがなめらかに曲がりながらヘッドへつながり、フェースは少し後ろに位置します。後ろへ引っ込む度合いは、クランクネックよりもおだやかです。曲がる場所が1か所のシングルベントと、2か所のダブルベントがあります。
ベントネックは重心が低くなりやすく、球がまっすぐ転がるのが特長です。打ちやすさから、マレット型やネオマレット型などの大きいヘッドにもよく使われます。シャフトを水平に持つとフェースが真上を向く、ブレにくい性質を持つモデルが中心です。フェースまわりがすっきり見えるため、目標へ合わせやすいと感じる人もいます。
センターシャフトは、まっすぐ引いてまっすぐ打ちたい人に向いた形です。曲がったネックがなく、ヘッドのほぼ真ん中にシャフトが刺さっています。シャフトの延長線の先に芯がくるため、芯で打つ感覚をつかみやすいのが特長です。
シャフトの先で球をとらえるため、しっかりした打ちごたえを感じられる形です。フェースが少し左に位置するので、手を前に出して構える打ち方には向きません。手元を体の中央に置いて構えると、上から打ち込みすぎず、球をやさしく転がせます。ただし、芯を外すとフェースが左右にぶれてしまうため、方向が安定しない人にはやや難しい形です。
ショートスラントネックは、マレット型で自然なフェースの動きを残したい人に向いた形です。クランクネックとベントネックの中間にあたり、短いネックがななめにヘッドへつながります。フェースは少し後ろに位置しますが、その度合いはクランクネックほど強くありません。重心が低くなりやすく、マレット型のヘッドと相性のよい形です。
ヘッドの先端側が少し重く、低い重心も合わせ持っている形なので、ほどよく手を前に出して構えられ、やや左を向きやすい傾向があります。クランクネックほど強い形を避けつつ、フェースの自然な開閉を残したい人に向いた形です。
パターのヘッドに使われる主な素材は、ステンレス、アルミ、カーボンの3種類です。素材によって打ったときの感触や球の出方が変わるため、自分の打ち方に合うものを選ぶことが大切です。
打ったときの感触はやや硬めで、カチッとした手応えがあります。丈夫で芯を外しても転がりが安定し、球が弱まりにくいため、ショートを防げる点が長所です。強めに打ちたい人や、中級者以上に向いています。
軽くて加工しやすい素材で、大きめのマレット型によく使われます。感触はおだやかで、なめらかなタッチを出せるのが特長です。やさしい当たりで細かな距離を合わせやすいため、グリーンの速さに敏感な人や、感覚で距離を出したい人に向いています。
比較的新しい素材で、軽さと柔らかさが持ち味です。打った瞬間の衝撃が少なく、吸いつくような柔らかい感触を得られるのが特長になります。打つときの不安が減るため、緊張しやすい人でも安心して打つことができます。丈夫さは金属にやや劣りますが、ふだんの使用なら十分な丈夫さを備えています。
パターのフェース(球が当たる面)の素材は、大きく金属系と樹脂系の2種類に分けられます。どちらも球の初速にはほとんど差がありませんが、打ったときの感触が変わり、感触の違いが距離感に影響します。
金属系は、ステンレスやアルミ、銅などをそのまま使ったフェースです。打ったときの振動を吸収しにくいため、手応えが硬く、打音は高めになります。球が強く出る感じがするぶん、知らないうちに打ち方が弱くなり、手前で止まるミスにつながる点に注意が必要です。一方で、打ちすぎてオーバーしやすい人には、距離を抑える助けになります。
樹脂系は、フェースに樹脂のインサート(別素材のパーツ)を埋め込んだタイプです。振動を吸収しやすく、柔らかい感触になり、打音も静かになります。手応えが穏やかでしっかり振り抜けるため、手前で止まりやすい人がしっかり打つのに向いています。
ショートしがちな人は樹脂系、オーバーしがちな人は金属系を目安にすると自分に合ったパターを選べるでしょう。

自分に合うシャフトの長さは、自然に構えたときにボールが目の真下へくる長さが目安です。
市販のパターは、32~35インチが最も多く使われています。1インチは2.54センチなので、33インチは約83.8センチにあたります。初心者は、扱いやすい33~34インチを目安にするとよいでしょう。ほかに、約40インチ前後の中尺や、約45インチ以上の長尺もあります。
長さが合うかどうかは、自然に前傾して構えたとき、ボールが目の真下へくるかで確かめられます。左目の下から球を落とし、足元の球の近くに落ちれば合っているサインです。ただし、腕の長さや前傾の深さでも適した長さは変わります。パターを地面に置いたとき、ソールが自然に地面と合い、グリップエンドがみぞおちのあたりを指すと、楽な姿勢で構えられます。
長すぎると前傾が浅くなり、視線が目標からずれてフェースの向きが乱れてしまいます。一方で短すぎると窮屈になり、手首が余計に動きやすくなります。合わないときはシャフトを少し短く切ったり、重めのグリップに替えたりして整えましょう。
自分に合うパターは、ふだんの打ち方のクセに合わせて選びましょう。パッティングには、ヘッドをまっすぐ動かすタイプや、弧を描いて動かすタイプなどがあります。自分のタイプを知り、合う形やグリップを選ぶことが、ミスを減らす近道です。
ここでは、打ち方のタイプ別に、おすすめのパターを紹介します。
ヘッドをまっすぐ動かすタイプには、マレット型やネオマレット型が向いています。どちらも大きめのヘッドで直線的に動かせるので、芯を外しても球が曲がりにくいためです。打点がずれやすい人は、より大きいネオマレット型を選びましょう。
ネックは、まっすぐ構えられるセンターシャフトや、安定感のあるベントネックが合います。ネックは形によって構えやすさが変わるので、目標へまっすぐ向けやすいものを選ぶと安心です。まずはマレット型から試すと、扱いやすさを感じられるでしょう。
パッティングで弧を描くように打つタイプの人には、ピン型やL字型が向いています。ピン型やL字型は、ヘッドを内側に引いて内側へ抜く、ゆるやかな円を描く動きと相性のよい形です。ボールはやや体から離して構えると、円を描く動きを出しやすくなります。初心者には、ミスに強くて扱いやすいピン型がおすすめです。
ネックは、適度に構えられるショートスラントネックが向いています。弧を描く動きを大切にしたい人は、ピン型とショートスラントネックの組み合わせから試すとよいでしょう。
手首が動きすぎてフェースの向きが安定しない人には、太めのグリップが向いています。太いグリップは手首の余計な動きを抑え、振り子のような安定したストロークにつながります。形は、まっすぐ動かしやすいマレット型やネオマレット型と組み合わせると効果的です。大きいヘッドのやさしさと太いグリップの安定感で、向きのブレを抑えやすくなります。
太いグリップは、手先で操作しすぎるクセを抑えたい人ほど効果を感じられますが、一方で細かい距離の調整はやや難しくなる場合もあります。まずは中くらいの太さから試し、向きが安定しないようなら太めへ替えると、自分に合う太さが見つかります。
距離感が合わずオーバーしやすい人には、軽めのヘッドのパターが向いています。軽いヘッドはボールに伝わる力が強くないため、打ちすぎを抑えられます。特にショートよりオーバーが多い人ほど、軽さによる調整の効果を感じられるでしょう。また、重めのグリップに替えて、手の動きを落ち着かせる方法も役立ちます。
あわせて、金属系のフェースを選ぶと、球が出すぎる場面を抑えやすくなります。金属系は手応えが硬く、強く出る感じがするぶん、自然と力みが減るためです。ヘッドの重さとフェースの素材の両面から、オーバーしにくい組み合わせを探すと、距離感を合わせやすくなります。
自分に合うパターは、打ち方のクセを起点に、ヘッド形状・ネック・素材・長さの4要素を組み合わせて選ぶと見つけられます。まっすぐ引くタイプならマレット型やネオマレット型、弧を描くタイプならピン型やL字型がおすすめです。また、手首が動きやすい人は太めのグリップ、オーバーしやすい人は軽めのヘッドや金属系フェースを合わせると、距離や方向のミスを抑えられます。
長さは、自然に前傾して構えたときボールが目の真下へくる33~34インチが、初心者の出発点として扱いやすい範囲です。ただし、腕の長さや前傾の深さで最適な長さは変わるため、店頭で実際に構えて確かめるようにしましょう。最後は試打で感触を確認し、毎回同じ構えを再現できる1本を選んでください。